2009年10月12日月曜日

未来の住宅




まず、最初にこの本。山形の大学に通っていなかったら実感がわかなかったであろうが、山形に来ていると人々の暮らしが自然のなかでなりたっているというのがよくわかる。その自然を生かしたものの作り方を考えることは、至極当然のことだ。それが、木材を活かした住宅のあり方だが、実は山形だけの問題ではない。日本全国の問題でもある。日本は国土のじつに67%が森林に覆われているがうまく活用していない。安い木材を大量に輸入したため、林業がうまく行かなくなり、今では木を切るのもたいへんな状況になってしまった。森はちゃんと手を入れてやらないといけない。でも、衰退してその手がないのである。
一方、私たちの暮らしはどんどん豊かになっていると言われるが、住宅に関してはその実感が乏しい。都市部を中心に考えれば、土地の高騰で住宅を手に入れにくいが、それはごく一部の問題である。地方では、どういう豊かさを目指すのか行き詰まっているようだ。そういうことをいろいろ思っていた頃、低炭素社会の到来に関して、同僚の三浦秀一さんに聞いたところ、正直驚いた。どうやら、日本の住宅事情は世界の中でも、相当遅れているようだ。というようなことを聞いて、焦って、三浦さんにいろいろ聞くということで、馬場正尊さん、山畑信博さん、渡辺桂さんと勉強会を立ち上げた。
 みんなでいろいろ話しながらやった方が、気楽だと思ったからだ。そして、それを本にして、「最先端の住宅をつくりましょう。」というきっかけにしようと勝手に盛り上がっていた。三浦さんに誘われて、中央ヨーロッパのオーストリアに「かっこいい木造住宅がありますよ。」と言われて、でかけて見てしまった。本当にかっこいい。「こういうのをつくりたいな」と思っていたらトントン拍子にいろいろなものがまわり始めた。タイミングとしてぎりぎりだとは思ったが、とにかくいろいろ始まったのである。

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