2012年7月10日火曜日

誰が電気自動車を殺したか


「誰が電気自動車を殺したか」という映画を見た。DVDで買ったものだ。
もっと漠然としたフィルムかと思っていたが、すごく具体的な映画だった。
GMがEV-1という電気自動車を開発した。一旦、売り始めるがカリフォリニア州政府の排気ガス政策が厳しい、電気自動車などの需要はないとして、自らつくったEV-1を回収し、スクラップにするという映画。もともと乗っていた人たちは、その大企業のやり方に疑問を持ち、ユーザー自身がEVを支持、新しいあり方を模索する。
自動車メーカーは自分たちの既得権益を大事にするために、過去に市電を買い取り、つぶしたりしている。そして、大きい自動車を売り、、、、。
そうしているうちに、トヨタやホンダがハイブリッドカーをつくり、GMは落ちぶれていく。おそらく、今世紀最大の失敗なのだと思う。
さて、振り返って、日本はどうだろうか。飯田哲也に言わせれば、世界は「第4の革命」の真っ最中だと言う。22兆円もの投資がされ、それが電気を産み出していく。
なぜ、日本にそれがなかったのか。答えは簡単だ。誰かが妨害していたのだ。独占したい人が、再生可能エネルギーなんかやってもダメだよ。と言い続けた。マスコミも政府もである。なぜなら、既得権益を独占したいために。

■エネルギーは足りるのか。

果たして、エネルギーは足りるのかどうかということだ。
答えは簡単。足りる。夏は晴れた日の平日の午後14時過ぎにピークを迎えることがわかっている。その足らなくなるかもしれない期間は1年に1週間あるかないかだ。そのピークに足らなくなる。だから、そこを使わなければ問題ない。
どうしたら大丈夫か。
これも簡単だ。そのピークになりそうになったら、その料金を通常の何倍にもすればよい。そうしたら、みんな使わなくなる。実際にフランスで、バカンス中は電気代が高いのでみんな休むのだそうだ。休みを法律で決めている。あるいは、優遇措置を受けている法人には強制的に切るということがあるかもしれない。そうすれば、一般には大停電は起こらなくなる。そんなスマートグリッドみたいなことできないと言われそうだが、ここ何年かはスタッフがホームページを見て操作したってよい。
 そういうきめ細かい情報のやり取りができれば、なにも恐れることはない。停電など起きない。そういう細かな操作や情報のやり取りができないのが問題なのだ。

 さて、長期の話しをしよう。長期はまたむずかしくない。最近のもっとも大きな需要を頭打ちにして、トータルを減らす努力をすればいい。それこそが技術革新である。古い効率の悪いものは淘汰され、新しいビジネスチャンスが生まれる。
なぜ、エネルギーを頭打ちにしていいか。理由は2つある。1つは上記のエネルギー革新ともう一つは日本の人口減だ。これから、ものすごい勢いで人は減っていく。2050年には9500万人、およそ源現在の75%になっていく。そのときも同じエネルギーを使いたいというのであれば、それはわがままである。人口に合わせて、エネルギーを減らしていくというのがしごく当たり前な考え方だ。これにもし、70%程度の省エネルギーができれば、0.75×0.7=52.5%で需要はほぼ半分になる。
 日本の省エネルギーは限界というのは、ウソである。人々のライフスタイルという点ではそうかも知れない。でも、社会全体ではそこまで努力はされていない。省エネルギーのものをつくったから、大売れした商品をまだ、見たことがない。その辺が緩いのである。 きっと日本人はうまく電気自動車をつくることができるし、風車の性能もあげられる。
ぼくがそういう技術のなかでほしいものは2つ。高性能の窓とエアコンのついた熱交換換気扇。その技術が日本のもので、価格と性能が満足なものがない。そうやっていくとエコ自体が大きな経済効果を産むことがわかる。
 また、自然エネルギーのいいところは、経済が近いところでまわることだ。化石エネルギーのマネーは結局は産油国に行く。そこで大きな富となり、砂漠のなかに大きなビルを建てた。別に不当な話しではないが、私たちの富が外国に富として結実している。地域内部でこれを回せば、マネーがわたる先は域内なので、そこでの消費活動は我々に帰ってくる。今までは資本流出していたものが、うちにとどまるのは大きい。
 さて、現地でエネルギーを起こすことは、送電ロスをなくすためにも、とても有益である。先ほど、使っているエネルギーは起こしたエネルギーの3割程度と書いた。現地で発電すればそれは有効に使うことができる。
 問題はその不安定性である。これからのエネルギーは、地域分散、多様性が必要である。だからいろいろなものを組み合わせなければならない。だから、一つで良いという分けてはない。風車は夜も発電できる。太陽光は夏のピークに合わせて発電できる。小水力は風よりも気ままではない。バイオマスは人が運ぶことで雇用も産まれる。これらはひっくり返せば、すべて短所にもなる。そういうものなのだと思う。
さて、最後に昨日、第4の革命を見ていた時の誤解が気になったので、付記しておく。



ドイツは太陽光電池で失敗している。←失敗していない。ある会社が倒産しただけだ。それは中国製の安いパネルが原因と言われている。

中国は再生可能エネルギーに興味はない。←ウソである。かなり積極的にいろいろな技術を進めている。現に太陽電池の生産量は年年増えている。性能の悪いものは広がっていかない。中国は自らの安全保障を含め、太陽電池、太陽熱利用などかなり積極的だ。

アメリカはブッシュの時代は停滞していたが、オバマはグリーンニューディールと言われている。どんどん、進んでいる。日本は後ろ向きになっている場合ではない。この流れに追いつかなければいけないのである。

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